「お父さん、
ぼくが小さい時は、
仕事を好きでなかったろ」
ビールのジョッキを置いたと思ったら
突然に次男がドキッとするようなことを言い出したのは、実家に帰って来た連休のことだった。
ぼく「うーーーん……」
次男「子ども心にそれは感じてたわ」
ぼく「……………」
中村文昭の言う通りよ。
と、息子は続けるのだ。
あれじゃ、ぼくでもお父さんの会社に入りたいなんて思うわけないじゃん。
苦味を押しつぶしたぼくの顔つきは
けっしてビールのせいではなかったろう。
息子に
返す言葉もない。
親が
しんどい
しんどいでは
子どもに夢はないわ、
でもなぁ、
と、次男は話を持っていく。
少し前からお父さんが
ぼくに会わせてくれる大人の人は
みんないい人ばっかりよ。
話も楽しいし、
仕事にも一生懸命だし
お父さんがいい付き合いをしてるのが分かるし、お父さんも仕事が楽しそうだもんなぁ。
お父さんの友だちから
お父さんのことを聴いて
初めて
お父さんの良さが
ぼくは分かったんよ。
ぼく「…………」
でも、
ほとんどの子どもはぼくのように
本当の自分の親父の良さって
分からんのだと思うよ。
それにしてもなぁ、
それにしても、
本当に残念よ。
お父さん、
お酒弱くなったなぁ(笑)
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